2017年12月27日

国際機関で働いた感想

私は国際機関をやめましたので、いまTVによく出ている元議員の若狭勝さんなみに?率直な国際機関についての感想を書こうと思います(笑)。

国際機関の地方事務所(フィールドオフィス)での勤務を通じて実感したのは、とにかく仕事が遅い、ということです。

仕事が遅くなる理由は様々です。私が聞いた話では、紛争地域に車で物資を運ぶ場合、他の国際機関から派遣された護衛をつけねばならず、その護衛が週2回しかつけられないのでどうしても物資の運搬が遅れる・・というような話もあります。そういう行政手続に伴う遅延については、個別の職員ではどうしようもないのかもしれません。

しかし、私が地方事務所で見たのは、職員自身が真剣に速く物事を進めようとしていないために仕事が遅延している、という事実でした。いくらでも仕事を速くしようとすれば創意工夫の余地がある(と私には思える)のにまったくそのような努力をしない。この点をなんとか是正しようとしても「俺はベテランだ。なんでも知っている。お前にとやかく言われる筋合いはない」というようないわゆる逆ギレしてくる職員もおり、非常に辟易しました。

なぜこんなことになっているのか、私なりに考えたのですが、一つの原因は人事体系・給与体系がある意味で逆インセンティブになっているのではないかということです。

人事・給与の体系は国際スタッフと国内スタッフとで大きく異なるのですが、国内スタッフは事実上、終身雇用に等しい運用になっており(任期はあるものの任期切れとともに契約が打ち切られることはほとんどない)、自分で別のポストに応募しなければ昇進もないし、よほどのことがなければ降格もありません。

このような人事・給与体系の結果、少なくとも国内スタッフについては、仕事をやってもやらなくても同じ待遇、という状態に置かれることになってしまうわけです。その結果どうなるかというと、仕事をサボればサボるほど、少しの労力で同額の待遇を得られるので、負担に対する利益が増えることになります。これはつまり、人事・給与体系が仕事の効率化に対して逆インセンティブになっているということだと思います。

こういった矛盾は山ほどあるので、ツッコミ始めるとキリがありません。

一方で、アフリカ各国の道路では日本の中古車がたくさん走っています。日本の中古車は新品同様で売られるものも多いうえ、アフリカの整備されていない道路を走っても故障が少ないので非常に重宝されています。

それらの日本車を見ていると「国際機関よりも利益目的で車を生産している日本の車メーカーの方がよっぽどアフリカ社会の発展に貢献しているんじゃないか」と思うことがよくありました。

行政組織が仕事をすると手続きを守ることが効率よりも優先されますし、仕事の効率が悪くても職員の身分に直接損害が生じないことも多かったりするので、どうしても仕事が不効率になります。

この点は国際機関においてはとくにひどいなーというのが、私が強く思った点です。





posted by ETMM at 12:00 | Comment(0) | スーダンネタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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